砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

有馬までノンストップ

ジャパンカップ覚めやらぬ中、年末まで万全の有馬記念体制を敷くこととした。

取り急ぎ行うべきは出走予定馬の配合を追うことである。なのでとりあえずの印象をきっちり決めておく。これを怠ると土壇場で慌てふためくこととなるのだ。

キタサンブラック

この馬の素質はウオッカと似ている。負荷の掛かった展開を早めに抜け出しからフワフワとストライドを保つのである。抜け出すことが本質であるから外回りベターであり、機動力も優秀だがサクラバクシンオーの柔らかさが一線級のまくり合戦で後手を踏む。

その点ではゴールドシップと似て、平坦適性でゴリ押す競馬。配合以上に東京をこなすのは東京二千も二千四も序盤が平坦であるためで、ここで後続の脚を削るのが武豊のタクティクスだ。阪神での競馬もおおよそ同じ理屈で、Princely Giftとは下り血統ではなく平坦血統である。

Nasrullah×Princequillo」というのは柔らかさをよく伝えるので、下りを流れ込むことによりストライドを伸ばす必要がある。基本的にはスタミナ≒柔らかさのニックスだ。

しかしPrincely Giftというのは自力の推進力を持った靭やかな血統であり、S級ステイゴールド産駒というのは自力の推進力でグワングワンと躍動するものである。それはあのゴールドシップも例外に当たらず、2段目のスパートは自力でグワングワンしている。

その分だけキタサンブラック有馬記念をこなす。しかし後方に足を使わせる様な平坦部分が小回りコーナー含みであり、一線級の小回り馬には差されてしまう。ゴールドアクターサトノダイヤモンドDanzigの最上級中距離馬&中長距離馬だ。

シュヴァルグラン

今の今までHaloぶりを発揮しなかったのは、Haloとしての頑強がいまいち足りていないためだろう。

これをオンにするにはBlue Larkspurに絡んだ頑強要素がベターで、ハーツクライにおいてはBalladierを頼りたい。ところがシュヴァルグランは母系にBalladierを引かずに成功している。ジャスタウェイの方向での頑強はまずありえない。

ワンアンドオンリーヌーヴォレコルトはFlambetteへLa TroienneやMy Babuを絡めるなどして頑強を得た。ウインバリアシオンStorm Bird×Damascusなのでこちらと大体は同じで、シュヴァルグランはLa Troienne持ちなのでこのタイプ。

問題はLa Troienneの速さをオンにする仕組みがないことで、Nijinskyなんかを持ってくると分かりやすいのだがNureyevだ。Specialは存外靭やかな血統であり、Nureyevに至ってはNative Dancer絡みのスタミナには無頓着だ。Specialがガチのスピード血統だったらジェイドロバリーマイラーに出ていない。

ハルーワスウィートの累代は短距離血統が並んでいるのだが各血統の靭やかさを統一させているあたりが名繁殖の証。サンデー直仔種牡馬の何をつけても「4分の1非Native Dancer」や「Black Rayの継続」などが発生するのがすごい。

Black Ray。これをトニービンにからめているのもなかなか秀逸だ。サンデー×トニービン×Swapsで鈍重な動きに説明がつきそうなもので、この合間にBlushing Groomを絡めているのが地味に良い。

サンデーサイレンスへのHaloクロスにおいて「Nasrullah×Count Fleet」血脈が躍動するのは、先生が仰る様なThe Tetrarchが最重要。であるが、その周辺を固める部分としてSunreigh=Sun Briarの役割も見逃したくはない。

Kahled≒Sun Teddyの観点より、Count FleetをBlack Rayに絡める事によってWishing Wellを浮き彫りにする効果が見込める。このあたりからモーリスを語ることがとりあえずの目標なのだが、それにしてもメジロフォーナ-モーリス編は時間がかかっているね・・・。


[fin]