Buckpasser的に登ってから追い詰められるのがワグネリアン
Roberto≒Fairy Bridgeを表現したのがジャンダルム
短距離としてのSpecialを表現したのがキタノコマンドール
歴史的好配合ヌレフェアリーがオウケンムーン
ここでスタートラインへ立ち戻って、考えた。「そもそもHaloとして最も完成している馬は誰だ」
いないんでないのかと。4分の1サンデーの終焉が始まった現代において、Haloな馬はしばら~く出ないんでないのかと。
Specialに頼っておけば間違いのないレースだ。そのたぐいは揃っている。だが、俺にとってのSpecialは不在であって、夢を見られる馬がない。いつだって皐月賞ではSpecialな夢を見たい。
予想本文
◎エポカドーロ
◯ジャンダルム
△ワグネリアン
エポカドーロその1
本馬はオルフェーヴル産駒として上等も上等。「Northern Dancer6・5×4」という濃度はラッキーライラックより上の表現を目指すに足るもので、後継種牡馬第一号として相応しい。Special血統によるニアリークロスは手堅いのだが、そこに本領があるかどうかが疑問だった。Flambetteの血脈はEdelweiss・ノーザンテースト・Lt. Stevensで飽和傾向にあり、ましてオルフェ自身はノーザンテースト4×3だ。これらを「独自色」として伝えるに足るだろう。
取り入れるならばNashuaだけでよい。La FranceをEdelweissへ投じるくらいが上品だろう。これ以上Flares=Omahaを重ねてもうるさいだけ。
だがグランマスティーヴンスに対してSpecialという教科書があるのも事実で、エレクトロアート≒Nureyevというのは「これが世界基準ですよ」という誘導とも言える。オルフェーヴルの平均化というか、尖りすぎているから丸くしようというアプローチ。Specialを入り口にして新たな要素を組み込もうという。
なので打率は明らかに上がる。その先に黄金配合があるのだけれども・・・いつだって例外はあるだろう。俺は本馬がその例外だと思う。これをモデルとして配合を組むと間違いが生じやすいだろう。けれど、尖りに尖ったオルフェーヴルを活かした配合に違いない。
エポカドーロのSpecialなところ
まずさりげない(ニアリー)クロス群が目につく。Princely Gift、Alycidon、Salecraft≒Straight Deal、Umidwar、Dulcimer≒Crepello、Hard Sauce、Laughing Queen=Pompey、Honora、Chenille≒Kingstoneなどなど
ここらへんのさりげなさが本当に格好良い。エレガントだ。上品だ。
だが最も褒めたいのはCairn Rougeの配合。Candy CaneがMassine4×5で、Cairn Rouge自身はMieuxce6×5。この渋さよ・・・!
理想としていたオルフェ配合
オルフェ産駒が出る前に考えていた。「Specialとのニアリーは普通すぎてつまらない」と。だからSpecialがSpecialたる所以について考えていて、とりあえずアルゼンチンな部分は見逃せないと結論づけた。ということで、オルフェーヴル産駒から大物が出るとしたらアルゼンチン血統からだと。だからボリーバル(ペルーサの弟)は追っていた。
Specialを活かす道はNarullhaやFlambetteやHyperionばかりでなく、MassineやGold Bridgeにも求められるのだ・・・と。そして、ことゴールデンサッシュにおいてはCrepelloとのニアリーによってMieuxceを新要素として取り込めるのだと・・・!
俺はそう信じていた。
メジロフォーナ大喜利より
この大喜利で俺はモーリスとハービンジャーを推して、特にハービンジャーへ執心だった。モーリスとか分かりやすいクロスが入るだけでつまらんもの。ハービンジャー×メジロフォーナの配合における大きなポイントはディクタス3×4に対する独自のCrepelloクロスだ。これによって擬似的なSpecialを作り出すことが可能なのか・・・というのが大きな関心。
Specialに近い働きを、Special以外の血統から作り出す。そういう試みを含めた配合だった。成功したらSpecialクロス食べ放題だからねぇ・・・。
エポカドーロその2
この皐月賞において、非Specialにあって最もSpecialな馬ではないかと思っている。それならこれが本命でいい。Specialな馬が勝つのが皐月賞だ。もうちょっと根拠があるのだけれども、まとまってしまったから簡単に書く。「ノーザンテーストがBold RulerとTom Foolに対してニックスを得ていたのはLaughing Queen=Pompeyの継続に理由があるかもしれない。すると「Nasrullah×Count Fleet」の組み合わせを持つことにも意味がある。」
言ってみれば、アドマイヤリード×デンコウアンジュ×キタサンブラック÷3くらいのイメージでいいかな?それにジュエラーとかゴールドシップとか和えた様な。(もうごっちゃごちゃ)
とりあえず道悪は鬼だろう。そして、久々に戸崎圭太の居合斬りが決まる舞台だ。
エポカドーロまとめ
オルフェーヴル×Specialの配合は「Specialを窓口としてオルフェーヴルを弄くってやろう」というもの。対してエポカドーロは「Specialをオルフェーヴルに表現してやろう」という意図だ。言いたかったのはそういうこと。加えてゴールドシップ的なスタミナもオンになっている「二刀流」で、Umidwar≒Sparkleというのはステマ配合の肝なので抑えたいところだ。
けれどフォーティナイナーの割には折り合いが付きやすいところがあって、やっぱりUmidwarのようなスタミナをオンにしてしまうと競り合いでハッスルするタイプには出ない。ゴールドシップはRobertoの気性であったので、脚が上がり始めた頃合いの併せ馬にはめっぽう強かった。
戸崎流
だからこそ戸崎の居合斬りにハメやすい。間合いの取り方が上手い騎手で、「ギリギリ差せて、ギリギリ差されない」という位置への嗅覚は随一。馬群をコントロールが巧すぎて漁夫の利を食らうというオチもつく。昨年のオールカマーなんて呼応した北村宏司ルージュバックがすんげぇ伸びたもの。けれど本命クラスが差しに構えるレースでは最恐の存在だ。桜花賞の秋山や和田竜とは違うぜ。勝ち切れる位置で本命の差しを殺してくる。色々と物議を醸している騎手だけれども、単純に馬質が騎乗スタイルに合わないだけかと思う。
横ノリやルメールは「前で折り合わせられる」ことが素晴らしいのだが、戸崎は「破綻寸前の位置を察知できる」ことが素晴らしい。前者は差しの技術で、後者は先行の技術だ。戸崎は生粋の先行巧者なのだわ。
でも破綻するレースなんて早々ない。戸崎はいっつもスローペースで馬を飛ばしている。
けれど中山金杯のように破綻が生じたラップの中では抜群の感性で凌いでくる。きっちりと溜めきったウインブライトが差し切ったとしても、ギリギリの位置でフタをしながらも自分だけは捉えてしまう。
これは小倉の川田に近い感性で、戸崎は中山という大レースを開催する競馬場で実行できるのが強み。ジェンティルドンナに有馬を獲らせられるのは中央のジョッキーじゃ戸崎圭太だけ。
最後に
ジャンダルムは父がRoberto≒Fairty Brdgeだから大外ばかりの馬ではないはず。馬自体のレベルは高くないのだが有力馬がそれぞれパフォーマンスを発揮する様な枠ではない。競馬の引き出しが多いタイプなので有利。ワグネリアンはだいぶ悲惨な競馬になりそうだが、最後の最後に横一線を抜け出して3着を確保するだろう。弥生賞ほどのパフォーマンスはないはず。
キタノコマンドールはMixed Marriageだから消す。皐月賞はHamoaze的な突進力で差すレースであり、この特徴を最も殺すのがPersian Maidという血統。フォーティナイナーから出たエンドスウィープはこの影響が強く、Hamoaze的な頑強とは無縁にHyperionとMahmoudによる靭やかさと晩成を伝えた。
[fin]