砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

小倉記念展望

小倉記念は小倉2000mで施行されるG3競争。クランモンタナが勝った16年以外は2分未満での決着だ。

七夕賞は勝ちタイムに極端な差が生じるレースであるが、小倉記念は多少の渋りがあっても例年通りの勝ち時計が出る。小倉記念レコードはメイショウナルトの1分57秒1で、これは稍重での開催だった。

血統からすると極端なHyperion展開である。時計が遅くなると極端で、16年(2分00秒0)と14年(1分59秒8)の勝ち馬はディープインパクト×トニービンの配合だった。この配合は鈍重であり、2頭ともそういった表現で走った。

先週までに馬場の変化は見られない。例年通りのHyperion馬場だ。

スパイラルとHyperion

ローカルの競馬場ではスパイラルカーブが多く導入されている。

その恩恵を大きく受けるのは小倉中距離ではないか・・・というのが持論。小倉大賞典は向正面からのロングスパートが決まる舞台であり、4角で機動することを求めない。これこそがスパイラルカーブの最たる特徴だろう。

札幌1800mなんかは機動力で差せる舞台だ。◎トーセンビクトリーで沈没したので説得力はないが、こういったFlambette機動一本で好走出来ることに違いない。仮定ではあるが、トーセンビクトリーがディアドラと同格であったなら勝ち馬は前者だったかと思う。(鞍上がスミヨン級の折り合い巧者であることを条件とする)

だが同格であろうとも小倉2000mでは差は歴然とする。機動力としてHyperionを表現するトーセンビクトリーでは、スタミナとしてのHyperionのディアドラを封じることは出来ない。小倉のスパイラルカーブはそういった傾向だ。

Hyperionの意義

何度も予想に絡めていることもあり、確信している。「HyperionとBlue Larkspurは互いにアウトを取り合う」という理屈のこと。

これを正しく表現した馬は夏のローカルに顔を出すようなことはない。「4分の1サンデー」の時代を象徴する理屈であって、他のことで傷を負わない限りはG1級の表現となりえる。

最初にHyperion&Blue Larkspurでケチを付けて、次に「他のこと」でケチを付ける、というのがMY血統予想。ケチつけてばっかり!

サンデー種牡馬って「母ちゃんが非Blue Larkspurとしてどれほど優秀であるか」ってことに左右されるのだわ。名繁殖で「4分の1Blue larkspurアウト」を取ることが大事である。

それほどまでに「非Blue Larkspur」を担当する血統が現代にない。ジャングルポケットでさえ不適切である。スカーレットブーケウインドインハーヘアゴールデンサッシュエアグルーヴの4大巨塔には、ほんと、逆らえない。

4分の4Blue Larkspur路線で頑張っているハーツクライってのはすんごい遺伝をしているとも言える。シュヴァルグランとスワーヴリチャードなんてのはハーツクライ産駒でなければ褒められない。

その傾向にあって母父Wild Againのアドバンテージをきちんと活かしたジャスタウェイというのは、血統的にも非常な化物である。

黄金旅程

小倉記念と名馬の出会い・・・というのは一例のみある。

過去の勝ち馬が名馬ではないって話ではないが、このレースを足がかりに再びトップホースへ返り咲いた馬がいるのだ。三冠馬の兄貴にして初代ステマ配合、マイル路線での失敗から中距離へ出戻ったドリームジャーニーである。G1を3つ勝った紛れなき名馬。

池江泰寿厩舎に見られる謎の黄金ローテーションである。ドリームジャーニーの他に、ラブリーデイ(3着)、サトノノブレス(1着)、ダノンバラード(4着)、ストロングタイタン(8着)、ベルーフ(2着・4着)、オーシャンブルー(8着)などなど。

夏競馬へ執心せずにここで叩くのが特徴だ。春にオープン入りした馬を使うことが多いのだが、秋王道でも戦えそうな素質馬をここへ進める。

元よりステイゴールド産駒と縁深い厩舎であるが、その一族のベルーフドリームジャーニーリヤンドファミユを使ってくるあたりに狙いが見られる。

今年はステイゴールド産駒のマウントゴールドと、実績馬サトノクロニクルが池江厩舎から出走予定だ。

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