大阪杯も宝塚記念も平坦スピードの権化が勝つレースだと思っていますし、微妙に秋天とリンクする不思議を感じてもいます。
例年通りその解決にBold Rulerを使うわけですが・・・。
ごちゃごちゃBold Ruler
アルアイン(A.P. Indy)やキタサンブラック(ジャッジアンジェルーチ)などの勝ち馬がおりまして、圧勝のスワーヴリチャードもSeattle Slew。とりあえずBold Rulerを母系に抱えるサンデー直系を買っとけというレースです。
しかしBold Rulerってのは脈絡のきつい血統です。Native Dancer(Discovery)とTom Fool(Pompey=Laughing Queen)があり、Bold Rulerの血を引くからBold Rulerなのだって話にもなりません。
これがAureoleなどですと違うでしょう。Aureoleの血を引いてなおAureoleらしからぬ表現で走る馬ってのは少なく、オープン級ではもっと少なくなります。
そのために面倒くさく、しかし、手間さえ惜しまなければ大阪杯での本命は決めやすくなります。
Nijinsky≒Storm Bird≒ノーザンテースト
アルアイン・スワーヴリチャードはSeattle Slew×Nijinskyの組み合わせを持ちます。またキタサンブラックはジャッジアンジェルーチ×ノーザンテースト。
「Northern Dancer×Flambette血脈+Bold Ruler」はありがちな組み合わせで、エルコンドルパサーの母サドラーズギャルもそうでありますし、Storm Catもそう。
これで表現を一括に出来れば楽なのですが、経験則として、一般論として、血統はそんなに甘い話ではありませんな。
ただ中距離スピードの担保となる組み合わせではあります。それに関してはBold RulerというよりもPompeyが担うことで、これにLa Troienneを加えた「Northern Dancer×Flambette血脈+Pompey=Laughing Queen+La Troienne」という組み合わせが、おそらく、Northern Dancer絡みの中距離スピードにおいて理想的なものではないかと。
つまり、ロッタレースのことですね。
Princequillo要らず
ここで微妙に注意したいのはスタミナ血脈のことです。特にPrincequilloは中長距離へシフトしやすい要素ですので、大阪杯では微妙に扱いづらい血統と言えます。
もちろん全てがそうではありません。Storm CatにもSeattle SlewにもPrincequilloが含まれますし、Prince Johnなどの血を引く馬もよく好走しています。
大阪杯を押し切るには微妙な枝をPrincequilloは持つ、というわけでして。最たる例は「Buckpasser×Princequillo」の組み合わせです。A. P. Indyなどの名血統に含まれる組み合わせなだけに、やはり一概には言えない。(一概に言えない、という便利なワード。)
例えばマルゼンスキーです。この血を引く活躍馬の多くは中長距離馬です。中にはメジロブライトやライスシャワーといったステイヤー的存在もあります。
一方でMiswaki。これはサイレンススズカを代表格とした中距離快速の血統ですが、国外に目を向けるとGalileoというのがありましてね・・・。マーベラスクラウンやザッツザプレンティもMiswakiですから、マイル~中距離に限る血統とも言えません。
MiswakiはUrban Seaによる風評被害という面もありますが、DaylamiやDalakhaniもあります。欧州のクラシックディスタンスを制するだけの適性を絞り出せる血統であることは確か。
間違いないことは、「だからサートゥルナーリアを有馬で評価するかが難しかったんだよ」ってことです。菊花賞へ進んでいれば取捨が楽だったのに、秋天に進んで凡退するから・・・!(菊花賞行きが正しい判断だったとは言えません)
戸崎ペース
ところで、前年の大阪杯は母系にSomethingroyalを持つ馬がワン・ツー・スリーフィニッシュでした。
これは大阪杯がそういった傾向であったというよりも、エポカドーロが逃げたレース全般に言えることであります。なのでワグネリアンの3着を私はあまり評価していません。正確には戸崎の逃げ全体の傾向と言えるでしょう。
そのSomethingroyalがSir Gaylordから引くのか、Secretariatから引くのか、色々。そこから更にSir Ivor、Habitat、Sir Tristram、Drone、ダンシングブレーヴ、Alzao、ホワイトマズル、コマンダーインチーフ、Dubawi、ウインドインハーヘア、ディープインパクト、ブラックタイド、オンファイア、El Prado、Storm Cat、A. P. Indy、Pulpit、Tapit、ヘニーヒューズ、ヨハネスブルグ、Gone West・・・とまぁ、枝葉に限りがありません。
なので一概に言えるこっちゃやはりありませんが、とりあえずそういう結果であったのは確かで、エポカドーロが逃げたときの1着や2着がSecretariatやSir Gaylordを引く馬であるのも確か。
もっと深く掘れば正確なことが言えるとは思いますが。
予想印
◎ダノンキングリー
◯ワグネリアン
△カデナ
予想本文
小回り内回りの1800mで先行が出来るのはラッキーライラックとダノンキングリーくらいですが、これらの逃げは微妙な線。となるとジナンボーあたりの受け入れが濃厚であり、おそらくスローで推移することでしょう。
いつでも動ける様に構えることが求められるはずであり、そういった競馬が仕込まれているダノンキングリーを信頼する一手。同様の競馬をこなすワグネリアンを2番手の評価とします。
3番手は開き直って差し追い込みに構えられるカデナが上手か。ブラストワンピースがまさしく苦手とする競馬でありますし、ラッキーライラックも構えるミルコでは信頼しづらい。
クロノジェネシスが濃厚ですが、得意の形には持ち込みづらい大外枠です。ジナンボーに追随する形の番手もありえますが、そのポジションは内枠各馬が狙う特等席。獲ったとしても脚は使われそう。
ミルコが開き直ってしまうと前提が全て崩れますが、ラッキーライラックは構えて成功している馬ですので、ここでご破算とすることはないでしょう。
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