砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

2022年朝日杯FS予想

なんかこう、朝日杯FSや阪神JFに出走する競争馬の血統を褒めたら「それならそれPOG指名すりゃよかったじゃん」って話になりそうで、あんまりストレートに褒められない難しさがあります。

出走表すら見たくないレベルで、大体この時期はゲームやって現実逃避してます。今年は友人の推しまくる「ウィッチャー3」ですね~。「ウィッチャー3のすぐあとにFF15をやった俺の気持ち考えてみろよ。愕然としたわ」とは友人の談で、確かにこのゲームの後にFFをやったらきついだろうなぁ、と思うくらいには面白い。

頭を空っぽにして「面白い」と言えるゲームは久しぶりです。久しぶりとは言っても、思い出補正なしにこれより面白いゲームがあったかどうか・・・。これよりもゲームとして楽しめるものはいくらでもあるのですが、ゲームという体験をこれほど活かしたシナリオは他にないような。

 

唯一の弱点はゲラルトという人物への魅力が薄くなる点で、私たちがプレイしてたら「弱弱しいウィッチャー」「壮絶な結末を呼び込む死神」「シリシリうるさいおっさん」「女の尻に敷かれてるおっさん」にしかならないんですよね。

アクションゲーム特有の没入感の高さが原因でして、例えば「Detroit: Become Human」は神の視点なので問題となりません。「間抜けに死んでリスポーンし続けるのもコナー」「格好いい最高の主人公もコナー」です。

ゲラルトはプレイヤーと重なった状態なので、魅力的すぎると没入感が薄れてしまうわけですよ。「自分がそうなりはしない」と突き放してしまう。主人公らしさと愛されやすさのバランスを常に取る必要があり、没入感を失われないことが最も大切とされます。

この問題を克服したのがエースコンバットシリーズでして、終盤のプレイヤーはみなエースとしての自負を胸に秘め、トンネルへ突っ込んでいきます。エースとしての全能感を堪能しきったら、トンネルによりエースとプレイヤーは分離するのです。

トンネルの儀式によってプレイヤーとしての純度が高まり、物語を物語として味わう時間が訪れます。「エースとして勝利へ導いた達成感」よりも「終わりへ導いた物語」を楽しめという、エースコンバット特有の価値観。

ウィッチャー3はゲームとしての終わりがあっても、物語としての終わりがありません。それだけに没入感を失わせることが出来なくて、やはり初プレイ時が最高なんでしょう。これが失われたら、何も楽しいことはなさそう。

 

さて、朝日杯FS。

ダノンタッチダウンはエピックラヴの仔。エピックラヴはオールザワールドのイメージがすごく強くて、緩慢さと力強さの両立が伝わりやすいタイプかな。緩慢で力強い、つまりは強靭・・・というわけでもないという。

緩慢であって靭やかではないし、ダノックスの馬ですね、と。大物感があるとかはともかくとして、なんかこう、超王道に勝つ様な馬は出づらいのがダノックスかなぁ。スローで負けても評価に関係しづらいのもダノックス。

これが阪神1600mで人気しきらないのも納得で、相手がドルチェモアならなおさらでしょうか。この2頭なら確かにサトノアレスが差し切ってしまうかも。かといってディープ×頑強という時代も終わってしまいました。

もうあの才気ありきで走るような産駒を見られないんですねぇ。2013年のダービーから馬券を買い始めた私としては、ものすごく寂しいことです。現役のディープ産駒はおりますけれども。

 

ただ、別に今の競馬がどんぐりの背比べとか思うわけでもなく。

ハイペースをマイペースからぶった切る変態が減ったため、特に朝日杯FSは脚を削る傾向が強くなった印象です。「阪神マイルの2歳G1なんてスローでしょ」とはもう言えません。

マイル王を目指す面々は堂々と立ち向かい、クラシック制覇を目論む面々はしっとりと構えます。これが現代の朝日杯FSと言えて、見ごたえ自体はすごくあるんですよね。

ただ、まぁ、今年はクラシック路線がいるかどうか。ドルチェモアは母系のパワーがよく表現されていますが、この配合からマイラーは出づらそう。クラシック路線は彼とスズカダブルくらいかな。

ロマンチックに行くならドルチェモア本命。しかしゴリゴリのマイル戦模様ではルーラーアユサンは厳しかろうという話で、この時期にスピードの担保に優れる種牡馬と言えばFrankel一択かな?ティニアとレイベリングかぁ・・・。

 

レイベリングは東京ベストでしょうし、芝のまま走るなら2000mもOKかな?しかしG1を勝ちきれる様な状態とも思えないところ。8着あれば先が広がるくらいじゃないかと。

しかしこのMan o' War的柔らかさは驚きで、その上でサドラーらしい力強さもあります。同じ父のティニアとは全く異なる性質ですねぇ。

ティニアはPrincely Giftの面影すらある緩やかなストライドが伸び、これは、なんだったら、ステマ配合的な様相すらありますね。まぁ、配合的にも全く違う馬なのですが。

キズナとゴールデンサッシュが配合的に上手く行ったとき、このベクトルに表現は描かれるでしょう、という感じですかね。この配合でこの表現はG1で本命を打ちたくなります。

 

オールパルフェは・・・スローで逃げて捕まらないのも納得のTudor Minstrel。阪神内1400mを差しても馬券になりそうなタイプ。阪神内2000mを使うまでもなく、G2を含む2勝というプロフィールですか。

母父ルーラーシップはマイルを楽に逃げたら捕まらんでしょう、という。4分の1キンカメとか4分の1エアグルーヴなら捕まるでしょうけれど、ルーラーシップは捕まらんかと。クラシック系統の名繁殖の仔にして気性の荒いクラシックディスタンスというのがルーラーシップです。

いわゆる「底力」しかない血統ですから、こういうのがマイルを楽々逃げちゃうと追いかける方が辛い。逃げるまでの経過に辛さがあるタイプですから、逃げの確定が容易い場合は本当に捕まりません。

配合的にも目立った傷がありませんから、本番も捕まらない可能性はあります。同型が多いので楽逃げは難しいのですが、おそらく逃げなくても競馬は出来るでしょう。楽に逃げられるから逃げてただけで。

3番手や4番手からでも似たような競馬は可能だと思いますが、実戦では全て逃げていますから、初の形ではめ切れるかどうか。調教や多少の実戦で調整可能な範囲でしょうけれども・・・いきなりはどうかな。行きたがるかもしれません。

今回は軸にするか消すかの2択というレースでしょう。控えるなら1800mに距離を伸ばして、どっぷりとスローに浸った方が味はあるかと。

 

いささかに気になるのがコーパスクリスティ。ノーザンなのでPOG指名候補にも挙げなかったんですが、シリアルノヴェルの対立候補に1日だけいた馬ですね。

ノヴェリストを指名したい!ノヴェリスト×スカーレットブーケの打率!という話だけでシリアルノヴェルが指名されたわけですが、エピカメサンデーで3代母が非Nasrullahの全兄勝ち上がりなので注目はしていましたよ。そりゃ、もちろん。(記憶があやふや)

怪しい記憶の糸を辿れば・・・3代母スカーレットローズに疑問を抱いたはずです。デアリングタクトと比較すれば、いささか鈍重の趣があります。スカーレットレディがダートの名門ですからねぇ。

というよりかはスカーレットブーケばかりが例外で、スカーレットインクの一族全体はダート偏重だったはず。ダイワメジャーとダイワスカーレットを出したスカーレットブーケが変態的で、ダイワメジャーも芝の怪物を送り出した種牡馬です。

シリアルノヴェルもダート疑惑を拭いきれなかったわけですから、全兄がダートのコーパスクリスティはなおさら指名しづらかったんですよねぇ。確か、そうだったはず。(やはり記憶があやふや)

で、それが芝を走ったわけですが。今年はスカーレットインクの当たり年なのかなぁ、と現実逃避もしたくなります。

えー・・・、とりあえず、配合は別段文句のつけようがありません。流石にスプリントG1をぶっこ抜いたら椅子からひっくり返りますが、1600mならまぁ。それでもエピカメサンデーの8分の7からマイルチャンピオン級のスピードを抽出出来るかというと疑問かなぁ。ボリクリ・シーザリオ・キンカメ・スカーレットレディですからねぇ。

1400m偏重の方がまだ現実味がありまして、これはまぁ、1800m的な部分で踏破できるジャンルです。小回り内回りの方がアドバンテージは取りやすいタイプじゃないかと思います。

これは外回りのヨーイドンが苦手という意味で、ある程度スピードの優位で抜かしに行く競馬の方が気性的にもウィークポイントが出づらいでしょう。ビュッと動くことは期待しづらい。

33秒台の上がりを出すことは出来ると思います。馬場の外側を思いっきり追い込んだら出るでしょう。それが他馬に対して優位なものであるかは別ですから、やはり阪神外は決して好条件でもないと思います。

馬券は怪しいかなぁ。

 

◎ティニア

○ダノンタッチダウン

△ドルチェモア

 

シンプルに人気で決まるレースに見えますが、伏兵が差すなら、それはティニアかなぁと。配合的にもすごく見守りたい馬で、Allegretta×Caroは今年のジャパンカップから学ぶべき優秀な組み合わせですよ。

 

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