ステイヤーの配合というものを、基本的に振れ幅が大きいものであると、そう私は考えるわけですよ。弩級のスピードがあるから弩級のスタミナを導入できるんです。
何より春天はギアの切り替えが激しいレースです。切れ味としてのスピード、距離としてのスタミナ、いずれも欠けてはなりません。中間がないという言い方も少し出来るかもしれませんね。(それはそれで誤解が過ぎる表現)
方向性としてはダービーで、配合の方向性はPOG的なものです。近い代にスピードの担保が必要であり、割合として早い馬です。春のクラシックに間に合うような。
メジロマックイーンが遅い馬だとはいいませんが、ライスシャワーほど明確なスピードの担保を持つかというと、否定せざるを得ません。ライスシャワーは春のクラシックに間に合った馬で、母父マルゼンスキー。マルゼンスキーをマイラーと言うことはないにしても、スピードの担保としては足りています。
そもそも論として、RobertoとかRibotとか、そういうスタミナ的と言われる血統は「Gas(≒Ladas≒St. James)×Sardanapale×Plucky Leage」が深く関わっています。これを言うと「それじゃなんでボリクリはー」という話になるので、あんまり大きな声では言いませんけども。
これに加えて「速く動きすぎない仕組み」が導入されています。「非中距離血統的思想」とも言いかえられます。非根幹距離的とも言えるかもしれませんが、これまた少し違う気もしています。
非根幹距離的な表現は、本当に速く動かないんですよね。でも根っこは中距離馬であるという。春天においては速く動くことは望まれます。しかしヒュッと動けてはならないのです。これって一流の血統に求めることじゃないんですよねぇ・・・。
◎メイショウブレゲ
◯シルヴァーソニック
▲タスティエーラ
メイショウブレゲは晩成のステイヤーでなくとも中長距離馬ではある配合。配合的にも平坦マスターは自然というべきだし、レガレイラ的な溜めの効き方も春天においては穴馬的。A.P. Indyとしては十二分の性能を持っているといえますから、カレンミロティックくらい走っても不思議はなく。
シルヴァーソニックは配合形がシンプルかつキレイ。それでこの格を持つのなら馬齢や臨戦などの多様な条件を無視してもよいでしょう。
タスティエーラは宝塚記念で全力出すタイプの馬ですから、ここでひと頑張りしてほしいというのが本音。
ドゥレッツァは鞍上割引。菊花賞の内容は全くあてにならず、前走の金鯱賞も微妙です。Feola≒Cecily5×5を持つ3代母Tamarinoの影響が強い中長距離馬ですので、あんまり馬群がよくないんですよね。戸崎騎手はルメール騎手なみに「動かない」ことが出来る騎手ですが、「動く」ことは流石に劣る印象。動くべきときに動けるルメール騎手からの乗り替わりは割引材料としては重いのでは。
テーオーロイヤルはマンカフェ割引。母父ステイヤー(長めの中長距離馬)はドロドロ動いてなんぼで、それはオールカマーやAR共で痛感した部分では。それで勝てるのが長距離戦ですし、春天も長距離戦・・・しかしトウカイトリックやデスペラードが戴冠したかといえばそうでもなくて。ゴールドシップのようにレースを破壊&創造するか、ビートブラックやイングランディーレの様に全く違う世界を行くか、この2択でしょうね。(ゴルシをステイヤーとすることもありませんが)
サリエラはむしろ鞍上強化ですし、過去のレース通りの馬でしょう。ドゥレッツァの様な難しさはないと考えます。異次元ドイツのディープ牝馬でしっかりとした切れ味が魅力的。メイショウブレゲと似たような伏兵ですが、自分から位置を取ることに難があります。ドイツ血統の悲哀はここでも感じてしまいそう。
ブローザホーンはBuckpasserなのにエピファネイアというアンマッチで、ノーザンテースト的な部分も強い表現。配合的にも中長距離とは言いづらい中距離配合馬です。ほとんどデニムアンドルビーですね。ここを勝てるなら秋が楽しみ。
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