砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

秋華賞展望

・スピードの担保が欲しい 牝馬三冠レースは菊花賞ほどに上がり馬が飛んでこないレース。この理由は京都二千という条件が千八的であることが原因で、その距離の素質馬は晩成型であろうがなかろうが2歳夏から3歳春までに何らかの結果を残しているものだ。 また高いスピード能力を要求されるコースでもある。先行するにせよ差すにせよ、必ず小脚というものが要求されるのだ。母系にスプリンターやマイラーの血統が必要だから、この理由においても晩成馬というのは走りづらい。ローテーションや仕上げに関しても春の重賞馬が有利であるから、人気に逆らうことはしづらいだろう。 例外なのは飼葉食いなどの理由から調教師が仕上げきれなかった馬だろう。それにしたって母父にStorm Catフレンチデピュティなどの短距離の米血統を備えるのがセオリーであり、これは桜花賞配合でもある。母がND直系の短距離馬・・・ってやつだ。 ・京都馬場 馬場が遅いというわけではないが、以前ほどの高速馬場ではない。高速京都はディープインパクトの庭であり、靭やか体質のステイゴールド産駒やゴールデンサッシュ牝系馬もよく走った。春天ゴールドシップが勝ちきった様に、近年の京都は馬場の抵抗が強い状態にある。 スピードも欲しいがパワーも欲しい。ほとんどディープ産駒を狙うならば母系がNDを尻に敷いた高度な配合である必要がある。ミッキークイーンはその代表格であり、米血統のパワーとディープの靭やかスピードで一本調子に飛んでいくマイル気味の千八牝馬だ。 ディープインパクト産駒 以上のこともあってディープ産駒を本命にはしづらい。シンハライトは万全の本命馬であったが、その上を行くのではないかと期待していたのがチェッキーノであったし、またメジャーエンブレムであった。 京都にぴったりのパワータイプが東京の高速にやられたと考えれば順当か。ならば、春の東京で負けたパワータイプを狙った方が面白そうではある。狙うならローズS組からだろう。紫苑Sは馬場が軽かった。 ・狙い目の穴馬 ローズSからはフォールインラブRiverman秋華賞で狙うのはご法度だが、ミッキークイーンがそのRivermanであった。Haloクロスのダノンシャンティに対して、そのHalo以外の要素を6代以降に相似で重ねたこの配合は最高級のもの。 前提として 1,ハイペースであること 2,そのハイペースに順応するレベルにあること の二つが挙げられる。社台生産の好配合馬であるから克服してもおかしくはないのだが、ローテーションや騎手など陣営の問題がつきまとう。ここで一発駆けする可能性は捨てられないが、決して高い可能性とも言えない。 もし出走してくるなら殿人気を争うはずであるし、コスパの面では悪くないはず。3着に滑り込むだけで十分であるから、普通の仕上げと好騎乗のセットでオッケー。週末に人気や調教と相談して、ちょっとヒモに紛れ込ませるくらいかと。 あとオークスと紫苑を惨敗したエンジェルフェイスを外差し馬場に限定して狙いたい。全姉にレディアルバローザ、半姉にキャトルフィーユがある良血で、わずか5頭の産駒から3頭の重賞勝ち馬を出したワンフォーローズの娘だ。 母母父のLord Gaylordの靭やかさがあるから平坦が得意分野で、またThe Dancer=KazadanoaとSauce BoatでUmidwarの継続を行っている点が非凡。キングカメハメハの配合としては異質なものであるが、百発百中の重賞勝ち配合であることに違いはない。 非サンデーだから中距離の切れに関しては見劣りしてしまうが、秋華賞に出走してくる馬の中では最も上積みが見込める配合である。パッと見ではパワー偏重であるが、随所にクロスされたLavenduraやTraceryの血脈が偏ることを許さない。小技が効きに効いて、その上で作用するThe Dancer=Kazadancoaが憎らしい。 姉たちには牝馬三冠は鬼門であって、活躍は4歳以降に集中している。特に秋では期待はずれに終わることが多かった。これはLa Troienneの血脈がいたずらしているからだと考えられる。また馬群をさばいて抜けてくる馬でもないから京都二千なら横綱相撲になりそう。外枠から外差しで着を狙いたい。 ・本命級の扱い スマートレイアーと同じ夕月特別から駒を進めてきたのはミエノサクシード。秋になってトモがパンとしたらしく、ゲート難をいくらか解消したことが原動力になった。 ステイゴールドデインヒルナカヤマフェスタと同じだが、A.P. IndyとGay Millyが気でも違えた様にナスキロ群を持ち、Sure BladeはPretty Polly祭り。そこにデインヒルがNatalmaクロスとAlibhai≒Lady Angela≒Heriopolisを引っさげてくる。地獄絵図だ。 しかしLady Angelaへのニアリーが半端じゃない量であり、作用するのであれば面白い。コンセプトそのものはショウナンパンドラに似ているだろう。少なくとも秋華賞の段階では大きな差は生まれていないはずである。古馬になったら雲泥の差だろうけど。 理想は外回りだ。特に中京や阪神外はベストだろう。京都外では少し切れ負けするかもしれない。京都内ならば、カレンミロティックにならって逃げを図るしかないだろう。ここは見送って愛知杯だとかで狙いたい。 [fin]