砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

NHKマイルC回顧 その1

「なんでこんなになっちゃったの?」というハズレ方で、実に的外れ。

タワーオブロンドンに不利があったことは間違いがない。だが不利なく進めたテトラドラクマの負け方は想定外だし、タワーオブロンドンが内へ突っ込むことを想定しなかった時点で「でもでもだって」はない。完敗だ。

なんもかんも放って、泣き寝入りを決め込みたい気分。

テトラドラクマの敗因

予想文中に思わず書き出された「先行馬」の3文字。そして底力の不足。逃げ馬として秀でているとも、万全の配合であるとも、言えはしなかった。

しかしそれを覆すほどにクイーンSは強い勝ち方であったし、いずれどこかで「あぁ、この4分の1はこういう作用があったのだ」という後付けを許してくれる馬だと思っていた。けれど、そうではなかったかもしれない。

ルーラーシップが「非Hail to Reason」として秀でていることに違いはないが、母系にFairy KingSeattle Slew×2・サンデーサイレンス」の4本を引いていることは矛盾の域にある。オウケンムーンほどにこの配合を褒められなかったのは、これが理由だった。

主張する4×3のバックアップに4分の4は要らない。それは母系に何らかの問題を抱えているのだ。

また気性がリラヴァティに似ている可能性もある。逃げ馬ではなくて、押し切る先行馬なのだと。

Specialで逃げることはあるのだが、これで逃げる場合は息を大きく入れる様なスローペースが似合う。ハイペースで逃げ切るSpecialというのは、すぐには思い浮かばない。

東京の高速馬場とディープインパクト

改めて実感したが、ディープほどゴトゴトした北米パワーを靭やかに始末する血統はいない。

日本競馬界の救世主とも言うべきキングカメハメハ。それを以てなお崩せぬディープインパクトはおかしいのである。そのおかしさは、円熟した北米の血を取り込むことに長けていることが基となって表現されている。

ディープにゃキタサンブラックは出せないけれど、彼は紛うことない歴史的な三冠馬だ。落合やイチローは出せないけれど、日シリを争うチームは容易く作られる。(ただし田村涼子や吉田沙保里は出せる)

それだけにイーブンペースからの差しは本領発揮というところで、特に牡馬はこういった展開に強い。それこそ東京二千で必ず差してくるステファノスのような。

速い馬場ではあるけれど、中京や中山の最終週の様な踏み固められた高速の馬場ではないはずだ。必ずそこにはパワーが要求されていて、速い馬が速さでハナを競えない様な絶妙なバランスが・・・この高速決着を支えているはず。

京都もそうであるが、展開を如何に掴むかが重要である。チグハグな競馬ではすぐに沈む。


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