砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

2021年NHKマイルC予想

3歳春の段階でガチンコ東京マイル戦。毎年のことですが、全くもって過酷な条件。

ここを勝ってスーパーな熟成を見せたのはアエロリットとミッキーアイルくらいで、いずれも押し切っての勝利。このレベルの素質を持つスピードスターが今年にいるんかな?ってのがまずひとつ。

ミッキーアイルは早くもメイケイエールというスピードスターを輩出していて、「NHKマイルC勝ち+古馬G1勝ち」は種牡馬としての優秀を示す戦績であると言えるでしょう。未完成のまんまで二冠獲っちゃったディープやオルフェみたいなもんですな。

アエロリットの仔も楽しみですが、こっちはG1を勝てていないんですよね。安田2着×2と秋天3着で実質G1勝ちみたいなもんだと思いますが。牝馬ですし、ダイナアクトレスみたいなもんでしょ?

 

この観点からは「バスラットレオンは古馬となってもG1を勝てるのか」という予想も出来ます。NZTは恵まれた展開とも言えますが1秒弱も突き放した内容は手放しで称賛されるべき。

近親にはスティッフェリオがありまして、この馬も4歳秋に開花して福島記念制覇。5歳秋にオールカマー制覇。G1に壁がある様子でしたが6歳春には春天2着。ノーマークの番手からしぶとく残ってフィエールマンの春天連覇を危うくさせました。

ザミリアという繁殖はアイルランドの馬なんですが、Man o' War血脈との相性が良い血統なんですよね。Green Desertをオンにして、あとはどうとでもしてくれ、みたいな投げっぱなし系の血統です。

ザミリアの仔バスラットアマルはAhonoora3×4でして、これは英国的にもなるしドイツ的にもなるし北米的にもなるという虹色の血統。投げっぱなしが継続しているわけなんですが、キズナでチェックメイト。キズナ×New Approachですから前受けベターで間違いありません。

気性と鞍上次第ではダービーの好位に収まることも視野で、名伯楽の矢作師としてもクラシック王道に進めるのはやぶさかでなかったかもしれません。近親に春天2着でダービー馬×ダービー馬の配合ですから・・・。

実際問題としてバスラットレオンはマイルで輝きました。4分の4Auroraかつ4分の4Lady Angelaですから、こっちがオンになっても全然不思議はありませんし。

もちろんバスラットアマルがAhonoora3×4を伝えて本馬が中距離の雄に出ても不思議はありませんね。十数頭も産駒を出せばそういった例もありそうですが、とまれ、本馬はそうでなかった。

一族の傾向からすれば晩成も視野。私には宗教上の都合もありますし、これが本命でよいでしょう。

 

◎バスラットレオン

◯リッケンバッカー

△シュネルマイスター

 

シュネルマイスターはドイツ牝系なのでここはやや評価を下げるべき舞台。前傾ペースとは言えなくともイーブン気味にはなるはず。こうなるとちょっと弱さが見えそう。

母母父Highest Honorで靭やかに追い込むタイプにも見えるんですが、父母間Mill Reefインクロスで母はSadler's Wells直系。Never Bend≒Bold Reasonで前受けベターなのかと。

母がドイツオークス馬ですし、脚はちょっとじれったい感じ。切れる脚がないという点では同じ牝系でもサトルチェンジ一家やサリオスに近いところがあるかも。ディープの種なら切れる脚も出てきそうですが、それで成功するかは別ですな。

イメージとしてはマンカフェの短距離突進型の産駒で、マイルよりかは阪神1400mや札幌1800mの方が走りやすいのでは。東京マイルベストというタイプじゃないと思います。

 

リッケンバッカーはロードカナロアの好形配合馬で、Nijinsky的異系配合とも。

近親の活躍馬はだいたいMr. Prospector持ちですが、ミスプロが合うというよりかは、その血の周辺にある頑強と相性が良いというべきでしょう。アイルハヴアナザー産駒にもそういった傾向がありました。

まさしくロードカナロアは「頑強を抱えたMr. Prospector直系」の種牡馬ですから、この牝系へ重ねるには適切なものというべきでしょう。ヌレサドニアリーとIn Realityのインクロス。父からしても母からしても教科書的。

配合の字面は本当に良いんですが、母シティウェルズはG3を3着したくらいの実績しかありません。その相似配合ってんですからG1では壁がある可能性も。しかしG1を勝っても納得できる配合だと思いますね。

 

グレナディアガーズはモアベターの配合で欠点は少ないのですが、近親の活躍馬不在が気がかり。パーフェクトなチャンピオンを出すだけの土台があるかどうか。

Frankelを種付けされるだけの資質を母が秘めているのは確かです。Frankel産駒の王道的表現であると読めますが、それはそれでFrankel産駒が壁を感じる時期でもあるわけですね。Frankelの3歳春は素質だけが武器です。

朝日FSから急上昇した馬がおりますから、それらとの力関係はかなり厳しいものとなっているでしょう。真っ向勝負だと力負けしてしまうんではないかと思います。

 

 

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