砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

ウインドインハーヘアあれこれ その2

このウインドインハーヘアに関連する記事は「メモ帳」カテゴリなので特になにか進捗があって書くわけではなくて、備忘録的なニュアンスが多めです。

「チラシの裏に書いていろ」という古いネットミームが刺さる話でもありますが、私が有用に使えなかった部分を誰かが使ってくれたらいいなぁと思うのです。

「知」というのは有用であるかどうかを問題とせず、とりあえず紡いでいって、有用に使える人が存在したらそれは僥倖であるというね、そういうスタンスです。アマチュアにおける血統論なんてものは、その個人が行なう暇つぶしの領域を出ませんから。

かといってそれで満足できるほど出来た人間でもありませんので、チラシの裏ではなくブログなんですねぇ。

 

とりあえずディープ産駒を探ればウインドインハーヘアがわかるだろうと寝る前に思いまして、思い出せる限りに産駒の血統を探ってみたのですが、まぁ、大筋ではそうだろうなと。

なにがそうなのかと良いますと、Tom FoolとかBold RulerとかRomanとか、そういう部分で走る馬はやっぱり多いという。例えばディープ自身がそんなにグワングワンしなる馬だったかと良いますと、そうではないですよね。ドゥラメンテほどしなるかというと、そうではない。

それは産駒も大筋ではそうでありまして、可動域は広くてもしなるわけじゃない。ものすごく語弊がある言い方かもしれませんが、ドゥラメンテというのは短距離的な部分から靭やかなのであって、ディープというのは長距離的な部分から靭やかなのです。

 

全ての秀逸は中距離へ収束するわけで、レースにおいても個性豊かなキャラクターが揃うのは中距離ですね。ディープとドゥラが中距離馬とかそういう話とはまた違いますが、この2頭の持つそれぞれの「中距離血統の秀逸」ってものが、スプリントとステイヤーのいずれから寄ってきたのか、という話なのです。

Nasrullah的であるドゥラメンテはスプリントから寄ってきた秀逸で走るわけで、Princequillo的であるディープインパクトはステイヤーから寄ってきた秀逸で走るわけで・・・と私は言いたいですね。

しかしこれは結果論としてある話でして、ドゥラとディープが産駒の代にどれだけ濃密なスタミナを、濃密なスピードを、それぞれ飲み込んできたかという。Monsunを受け入れたドゥラメンテと、名スプリンターの血統を受け入れたディープと、ですね。

スピードとスタミナ、スプリンターとステイヤー、この表裏をクルクルさせるために頭を悩ませるのが配合というものであり、簡単にクルクルしちゃえるのが大種牡馬ですね。

 

例えばサトノダイヤモンドはRomanもNothirdchanceもBold RulerもTom Foolも大好きなタイプのマルペンサが母であるわけですが、ここにWar Admiralが大きく関わっていることはDanzig・Hoist the Flag・Buckpasserから推測できようものです。

これらの中で最も影響力が高いのは間違いなくDanzigであり、それはNorthern Dancer的な部分からの話ですね。Natalma5・4×5でAlmahmoud6・6・5×5・6ですから。

ところがマルペンサ自身はHalo3×4なわけで、Haloの母父母母父Over ThereはSummer Girl直仔です。Summer GirlはWar Admiralの4代母にあたる「Sundridgeの直仔」であるわけですねー。

このSundridgeの絡みを語り始めますと「そもそもディープはFair Trialがクルクルされて出来たわけだから、サンデー直仔種牡馬としてLady JosephineというSundridgeの最高傑作について語る必要があるんじゃないのか」という、Fair TrialとMumtaz Mahalという現代競馬の基礎を語ることとなります。

ここの延長線上にキタサンブラックという「8分の1Blue Larkspur4×4・8分の7非Blue Larkspur」という大巨頭が語られるわけで、その先にイクイノックスという「War Admiral×Blue Larkspur」の組み合わせをHalo4×4にぶつける仕組みがあるわけですね。(AllegedとBuckpasser)

 

ディープ産駒の代においてはBlue Larkspurはともかくとして、War Admiralの暗躍はしばしば見られます。それこそGlorious Song=Devil's Bagは「HaloとBlue LarkspurとWar Admiral」の組み合わせですし。

例えばBMSシングスピールにおける総賞金トップはシンハライト(父ディープ)ですが、これにシャケトラ(マンハッタンカフェ)とコスモネモシン(ゼンノロブロイ)が続きます。マンハッタンカフェはAllegedを、ゼンノロブロイはBuckpasserを持ちます。

スクリーンヒーロー×ロージズインメイのニックスにおいても、スクリーンヒーローがWar Jeepを抱えています。更に言えばロージズインメイはこれまた別のSummer GirlであるEight Thirtyを内包しますから、Honora血脈としてのHaloも攻められますよ。(Eight Thirtyの父PilateはHonoraの直孫。この家系からはPrince JohnやHaloの母父Comic Bombが出る)(笑えるくらい一杯いる。Fair Trialに絡む連中もいる)

 

ということでして、「The Tetrarchとして柔いからこそ、それで成功したからこそ、そのご近所さんにはSundridge的回転力を刺激しやすい構成があるのだ」ということでした。

Danzig×Buckpaserとかも競争馬として成功した例はあるんですが、間にHis Majestyを挟んだ上でMahmoudに漬け込んだ方が後世への影響力を持てたわけですよね。(Danehill)

その上でMr. Prospector×Buckpasserという組み合わせを考えますと、Gold Diggerが大きなクッションとして作用していることがわかりますし、Seeking the Goldみたいな例すら許容しちゃうんだ・・・と思ったりもします。(母系がえぐい)

 

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