「やっぱ逃げ馬は内に入れたいですね」
「前走にちょっと無理逃げしちゃった大知を最内にいれましょう」
「そうすれば行かざるを得なくなってペースが上がりそうです」
「でしたら外にも同型を配置しなければなりませんね」
「然様。メイケイペガスターみたいな馬が欲しいですな~」
「とりあえず先行馬のアジュールローズを置くとして」
「ヴァンキッシュランも外でしょう。」
「ですね。」
「とりあえず揉まれ弱いスマートオーディンを真ん中に配しましょう」
「外の馬を牽制しながら動くこの馬はこういった枠の方が展開しやすいです。」
「差しに動くことは確定しているわけですから外の先行馬にとってありがたい存在ですね。」
「こういうタイプを真ん中に置かねば外枠の先行馬がすぐに諦めてしまいますし。」
「ですね。スローのダービーなど誰も見たくはありません。」
「・・・たまにしか。」
「エイシンフラッシュ(ボソッ)」
「大外どうしましょう」
「差し追い込みか先行か」
「先行でしょう。」
「先行でしょうね」
「するとリオンディーズあたりですか?」
「そうするとチャンスがなさすぎますね~。」
「これだけの馬が揃ったのですから人気馬には真っ向勝負を演じていただきたい。」
「青葉組のプロディガルサン君あたりですか。」
「「残当」」
「横山くんの馬は」
「変ないたずらしないように外に置いておきましょう。」
「ブレイブスマッシュは怖い馬ではありませんが鞍上が変態である以上は勝負の外に配さねば。」
「つまり、オークスと同じです。」
「仕方がありませんね。変態ですから。」
「ゴールドシップなどは冗談半分で1枠1番を与えてみたのに、結果がアレです。」
「典型的な穴人気沈みのパターンだったんですがね。」
「もうちょっと短く芝を刈っておくべきでしたよ。」
「レッドエルディストも外ですね。」
「四位君のDarshaanですから。」
「問題は、リオンディーズの外か内か、です。」
「・・・」
「・・・」
「難題ですね。」
「腐っても天才ですからね。内に入れると人気の一角を飲み込みかねません。」
「しかしそのくらいの波乱がなければ」
「いやいや、今回のダービーにおいては波乱など必要ありませんよ。」
「では外で?」
「リオンディーズの後追いとなると・・・オークスと同じ形になりますか。」
「ミルコが行って、四位が追って」
「シンハライトが詰まる」
「この場合のシンハライトって何になりますか」
「サトノダイヤモンドとするのは勿体無いですね。」
「ではマカヒキ?」
「いえ、川田騎手がそういった詰まり方をすることは想像しづらいです。」
「それでも距離ロスは大きくなりますし・・・」
「うーん、あの綺麗なハマり具合を思えば勿体無い使い方ですが。」
「代わりの候補がありません。ルメール騎手も武豊騎手も無理筋ですよ。」
「では川田騎手のマカヒキに黒帽子をあてがいましょうか・・・。」
「それでよいかと。」
「しかしあのハマり方から得られるエクスタシーはあまりにも惜しい。」
「距離ロスのマカヒキから罠を連鎖させましょう。」
「おそらく後方からまくるように四位騎手を追いかけて差し込むはずですので」
「武豊騎手をどうにかその内に入れられないものでしょうか。」
「外に出すことを封じるわけですね。」
「左様。」
「でしたら松山騎手のアグネスフォルテをすぐ外に配置しましょう。」
「普段の好位を取りづらくするのです。」
「いえ、距離延長のダービーで武豊騎手が好位を取るとは考えづらいですよ。」
「いやいや、今の馬場とエアスピネルの出来を考えれば好位しかありません。」
「外に置けば間違いなく差しに動くとは思いますが」
「もちろんそれでは罠の外」
「ミルコや四位が外からまくる以上、内から溜めて突き抜けられるのが一番困りますからね。」
「オークスの形を一番とするならば穴は塞がねばなりません。」
「とりあえず応急処置として福永騎手をすぐ内に入れましょう」
「オークスの形を踏襲するのであれば欠かすことはできませんよ。」
「加えて内差しの同型として岩田騎手も入れますか。」
「その外にルメール騎手を入れれば好位がごちゃつきそうですが・・・」
「万全とは行きませんね。」
「最後の札であるディーマジェスティ次第となりそうですね。」
「これをどういった風に使うかです。」
「まず確認しましょう」
「はい。」
「今のところ外の差しはごちゃつきそうです。」
「ミルコや四位が動いていく以上、それについていかない理由がありません」
「そういった馬場に仕上げるつもりでもあります。」
「Cコース変わりですからね。オークスよりも外は届かない様になるかと。」
「そうなると・・・」
「当然のことながらロスなくさばこうと誰もが考えるはず。」
「しかしそれはさせたくない。」
「立ち回って勝つダービーは面白くないですから。」
「豪快な切れ味に屈するか、えげつないパフォーマンスで完封するかの二択。」
「しかし、その資格を持つ馬がいないというのが今年の傾向ですな。」
「これだけの素質馬が集まりながらもダービータイプがいないのは不思議ですね。」
「そこで、ですね。」
「はい。そこで、今年から新規格のダービー馬を出そうというのがコンセプトではあります。」
「それはどんなタイプでありましょう?」
「おわかりでしょう?」
「・・・」
「いづれにせよハイペースは必至。馬場は速い。」
「どうにかしてドゥラメンテと真っ向勝負を挑める大ブランドを立ちあげなくては。」
「三冠馬であればより良い」
「しかしドゥラメンテと同等の速さでダービーを押しきれる馬であればなんでもよいのです。」
「ならば打つべき布石は二つですね。」
「展開に恵まれた疑惑の三冠馬」
「ねじ伏せるダービー馬」
「なのでダービーの絶好枠である1枠1番を用意すべきでしょう。」
「あとはリオンディーズなりサトノダイヤモンドなりマカヒキなり」
「彼らが展開に恵まれるディーマジェスティを交わすことに期待するだけです。」
「誰もが損をしない枠にはなっていますからね。」
「マカヒキなどは外にいても内にいても大差ありませんし・・・」
「ベストパフォーマンスかは分かりませんが、普段通りのパフォーマンスは出せる枠にはなったかと。」
「それでもディーマジェスティの優位は大きいように見えますが・・・。」
「この馬はエアレーションの踏み固められた馬場に対してのメリットを多く持ちませんから。」
「そう、ディーマジェスティに与えられたメリットはただひとつ。」
「Roberto≒Fairy Bridgeによる機動力、それによって最内をストライドロスなく回ることができる」
「ただそれだけです。」
[fin]