砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

血統論

Apelle論 スクリーンヒーローとGalileo

Apelleはイタリアの血統だからRibotを通じて伝わるのが最も自然である。他にロイヤルサッシュとSoaringがあり、この3つの血統はそれぞれニックスの間柄。このニックスの根拠をApelleとはしないが、この希少な名血が淘汰に耐えたことと照らし合わせると無関係…

トラスト配合論から逃れる

トラストを語る上で面倒なことがいくつかある。 まずサンデーサイレンスのクロスを3×3という強い濃度で持つこと。この強いクロスの成功例はノットフォーマルしかなく、この牝馬の配合と照らし合わせるしかないのが現状。判断材料が少ないために確たることが…

トラスト配合論 その2

スクリーンヒーローの配合はHail to ReasonとNorthern Dancerのクロスを幹とした相似配合である。しかしRobertoとHaloでは表現したものが全く異なるし、またDanzigとノーザンテーストも同様。 だが表現したもの自体、スクリーンヒーロー自身はグラスワンダー…

Roberto≒Fairy Bridgeの乙女 エリ女予想

ディーマジェスティから考えたこのニアリークロスはTourbillon系のクロスがないと面白みがなく、スーパームーン(ブライアンズタイム✕サドラーズウェルズ)が案外出世しなかったのはそこの処理が悪かったからではないかと。 そしてディーマジェスティの良い…

トニービンよフォーエバー・ソー・ファイン

切れに似て切れではない、という血統にTourbillonがある。Tourbillonは血統としての繁栄は脇役的である。だが主役がガチのスターであった為に活躍の場は非情に多い。 Lalunを見ての通りに同じフランス仲間のTeddyと相性がよく、そしてまたWild Riskなどのフ…

君はブリティッシュ&アイリッシュ サトノクラウン論

~論って書くのは意味として間違っているのではないかと今更気づいた。この場合「サトノクラウン考」とかの方が内容に対して適切かもしれない。けれど面倒だから突き通すことにした。サトノクラウンについて論じるのだから、きっとそれはそれでなんとか。 こ…

米の名牝が誇るねじ伏せる名血統 ルージュバック論

サンデーサイレンスが「4分の3Mahmoud≒Sun Princess、4分の1Hyperion」で、その上で4分の4The Tetrarchというのがスタートライン。サトルチェンジの血統をみると・・・そうなんだよ。Santa Lucianaは非Mahmoudというか非Blandfordなんだ。ドイツの風上にも置…

Blandfordのスタミナとは

Blandfordを語るとなると、とても簡単には済ませやしない。Danzigと同じように盛大に語らねばならないだろう。でもそんなことをする気分でもない。なので思いつく分だけ書いておく。 ・Umidwar=Udaipur Udaipurはヒンドスタンの母母で、ヒンドスタンと言え…

リアルシャダイ Robertoステイヤー論 その2

さて大きく脱線したが、何だったかな、リアルシャダイか。 その代表産駒3頭の決着となったのが95年の春天で、3頭ともピッチ走法なのにトコトコと靭やかな動きをしている。力っぽさは感じるものの前脚の蹴りは荒々しさに欠ける。美しいというわけでもなく平凡…

リアルシャダイ Robertoステイヤー論

大体のことはWikipediaに書いてあるが、そこから二つ三つ抜粋する。 「本馬は繋が硬く、極端に立った形をしており、逆に寝た形が多く、ときに柔らかすぎる繋を持つ馬も出していたノーザンテーストの欠点を中和すると考えられた」 「母親に似た仔を出す傾向が…

種牡馬リーチザクラウン

栄転を遂げたこの新種牡馬は母クラウンピースがSeattle Slew✕Mr. Prospectorというアメリカの大血統の組み合わせ。さらにSix Crownsの枝葉だからSecretariatの経由はスタミナ面において一流と言える。 Seattle SlewもSecretariatもモチジュン先生が仰るには…

高配当のためにサトノダイヤモンドを疑う

ディープインパクトの素晴らしいところは、Burchclereのスタミナを千八的なものにしたこと。しかしそれだけに牡馬はしぶとく走りすぎるところがあって、Burghclereへニアリーをかまさなきゃ辻褄が合わなくなる。 つまりG1勝ちのディープはあんまり弾けるタイ…

エアスピネルのスタミナとは 未完

キングカメハメハ✕サンデーサイレンス✕ノーザンテースト この配合形だけで見ると千八馬だなぁと思う。流行りはSSとNTの間にトニービンが入るドゥラメンテ配合だが、それがないのだからノーザンテーストの短距離力の影響が大きそうである。サンデー✕ノーザン…

Sadler's Wellsの罠

今春の中京などは例外であるが、基本的に馬場が重くなったイメージがある。 クッションが効いていて、芝もあまり禿げたりはしなくなった。馬場を改修した中山は驚くほどに荒れなくなって、もうゴールドシップがワープしたりする馬場は見られないだろう。東京…

マツリダゴッホ産駒の本格化過程

マツリダゴッホの代表産駒は以下のとおり アルマワイオリ 朝日杯FS2着・アーリントンS2着・ニュージーランドT3着などの戦績を持つストライド馬。2代母に3歳阪神牝馬S勝ちのスエヒロジョウオーを持つ。現在はOP戦でも惨敗してしまうほど身を持ち崩してしまっ…

サンデークロスのあれこれ トラスト配合雑論

トラストの配合を掘り下げていたら長くなったので別記事へ。 サンデーサイレンスクロスに関しては例が少なすぎてなんとも言えない。 ・父母父サンデー、母父父サンデー、でのクロス ・父母が「サンデーサイレンス✕ノーザンテースト」の配合形 ・父が社台系列…

ベルーフの切れ味とは

母がステイゴールドの全妹で、ドリームパスポートの叔母という良血。 ただステイゴールドの近親だから~という理論は展開しづらく、イメージはあくまでもドリパスやフェイムゲーム、タマモ~プレイ。ステイゴールドが配合通りに出た名馬であるかというと微妙…

非NDサンデーの予想が面倒な理由

ディープインパクト、ハーツクライ、ステイゴールド、ダイワメジャーの4頭に加えて、ダンスインザダークやスペシャルウィーク・・・あとゴールドアリュールだとかかな。これらは比較的「一概に扱える」ことが出来る種牡馬だろう。 「ディープインパクト産駒…

種牡馬ルーラーシップの目指す場所

モチジュン先生はそれをドゥラメンテだろうと仰る。したらドゥラメンテってどんな馬だったのかという話である。 ドゥラメンテはモチジュン先生の提唱される「ナスペリオン」の切れで走る馬で、大概の場合においてナスペリオンとは俊敏性に欠ける緩慢とも言う…

モーリスを繋ぐSun Teddy&La Troienneの輪

「だからこういう効果があるんだよ!」という話ではない。 とりあえずの話である。モガミの2代母Noteasing、Riverman、スクリーンヒーローの・・・いち(ランニングヒロイン)、に(ダイナアクトレス)、さん(モデルスポート)、し(マジックゴデイス)、5…

モーリスがマイラーとなった理由 反省編

Sadler's WellsもLyphardもFair Trialのスピードでアレコレしてきた血統で、それはグラスワンダーの持つDanzigへ流れこむ。 また前回書いた様にMatchicheがDubar絡みのRabelaisクロスをもつのでNashuaやサンデーの靭やかさと相性がよく、そしてそれはTourbil…

スクリーンヒーロー産駒の魅力

スクリーンヒーローはモーリスととゴールドアクターを輩出した種牡馬で、現役時代はウオッカを相手にジャパンカップを勝った。 初年度産駒にはモーリスがあり、これがスクリーンヒーロー産駒の2勝目を挙げた。しかも京都千四の新馬戦、これを1分20秒6で勝ち…

Norsemanの話

モーリスの配合において最もユニークなのは、母メジロフランシスの持つNorseman5*5のクロスだろう。この血が非常に面白い・・・面白くするほどには理解できないが、なかなか愉快な血統をしているので、一つ一つ書いておく。 まずNorsemanであるが、Sind産駒…

最強配合馬だから 小倉記念予想

リヤンドファミユはドリームジャーニーとオルフェーヴルの全弟。しかしその血統に見合わぬ走りぶりに口さがない人たちは「駄馬」と囁きあった。「とてもドリジャニとオルフェの弟とは思えない」 ところが今年の2月上旬。早春S、東京2400mを快勝したのである…

モンドインテロについて 札幌日経OP予想

ディープインパクト✕ブライアンズタイムの配合馬にしてPacfic Princess直牝系馬。父✕母父に関してはディーマジェスティを、ディープ✕Pacfic Princessはラストインパクトやキズナを髣髴とさせる。 Roberto✕Mr. ProspectorであるからNashuaクロスが発生してい…

母父トウカイテイオー~ハクツ牧場論

トウカイテイオーを母父に持つ馬には オツウ(父ハーツクライ。福島牝馬S3着、ターコイズS3着) マイネルアウラート(父ステイゴールド。東京新聞杯3着、パラダイスS1着) ブレイブスマッシュ(父トーセンファントム。サウジアラビアRC1着、ファルコンS2着)…

第二のディープインパクト✕ブライアンズタイム ゼーヴィント論

第一の方は筋骨隆々のマッチョディープ。胴体はまるで歴戦のダート王を思わせる作りだが脚は不思議なほどにスラッとしている。サドラー、BT、ディープと中距離血統を重ねているのだから中距離馬に出るのは当然と言えるが、この不思議なほどに足回りが軽快な…

ストーリーセラーの弟が勝ち上がったぞ!

カンパニー産駒を応援しているため、色々とカンパニー配合を考えた時期がある。 特に思いつかなかったのだが、ストーリーセラーの配合はグッドであった。クラフティワイフ≒ヘクタープロテクターでスピード増幅に一定の結果を残している。普通にいい牝系を使…

オルフェーヴル✕キングカメハメハは短距離馬を出すのではないか その3

復習 1 オルフェーヴルの中距離的靭やかさはSir Gallahad=Bull Dog✕Flembetteによるもの(だろう)。 2 ゴールデンサッシュ=サッカーボーイはディクタス中のTeddyをノーザンテーストで総括した(と予想される)。 3 ステイゴールドはノーザンテーストか…

オルフェーヴル✕キングカメハメハは短距離馬を出すのではないか その2

前回の復習 オルフェーヴルの中距離的靭やかさはSir Gallahad=Bull Dog✕Flembetteによるもの(だろう) 1 メジロマックイーンに対して より厳密なことを言うとFlembetteはDubar-Rablaisと共に伝わることがほとんどである。Teddy✕Dubar(Rablais)のフラン…